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これが幻の第7章だ!



『競馬は「井口式データ」で大儲け!』、実はこの本、最終的には6章立てになったけど、最初は7章立ての構成を考えてたんです。だけど、ページの分量というのはだいたいあらかじめ決まっていて、書き進めていくうちに7章入れるのは無理!ってことが段々わかってきたわけですね。それで、ステップレースをテーマにした7章は泣く泣く削ったわけです。まあ、「幻の!」なんていうのは大げさだけど、ここにはその第7章に収録予定だった予想コラム7編をアップします(元々は『勝馬』連載の「信じる者は救われる!?」に書いたもの)。なお、単行本では《その後の一言》に当たる部分がもっと長くなっています。


第7章 ステップレースは遙か彼方に
【常識にとらわれない前哨戦のヨミカタ】
■神の声が聞こえてきた!?【第59回桜花賞】
■小倉記念は○○オープンがお好き?【第35回小倉記念】
■マイルCSのステップレースはスワンSじゃないのが"定説"!?【第16回マイルCS】
■鮭とサラブレッドはやっぱり違ってた!?【第34回北九州記念】
■ステップレースの条件変更を見逃すな!【第4回マーメイドS】
■条件大変更レースの初年度勝ち馬には要注意!【第47回神戸新聞杯】
■たった1週の日程変更が大きな影響を及ぼすこともある【第48回ラジオたんぱ賞】


■神の声が聞こえてきた!?
第59回桜花賞 平成11年4月11日 2回阪神6日目
4歳GI 芝1600m マル指定 牝馬 定量
あまり信心深くない私のような者でも時に神の声が聞こえることがある。

先週も競馬中継を見ていると、競馬の神様のこんなお告げが聞こえてきた。「スティンガーにつける印は本命か、そうでなければ無印でなくてはいけません。私は無印です。」

神様によると「スティンガーのようなローテには前例がある。むかし、むかし、朝日杯を勝ったハクショウという馬がいた。この馬は休み明けで皐月賞に出走し惨敗したが、その後ダービーを勝っているのだから、決して弱い馬ではない。それだけ休み明けでGIに臨むのは厳しいことだ」というのである。さすが神様! 年季の入り方が違う!と唸ったものだった。

だが調べてみると、昭和36年のダービー馬ハクショウは確かに休み明けで皐月賞に臨んでいたものの、それはスプリングS前の調教で繋靭帯炎を発症したためで、決して予定のローテではなかったことが判明した。休み明けで臨むのは予定通りというスティンガーとはだいぶ話が違うのだ。

しかしまあ、異例のローテをやられるとデータ屋として困ることには変わりがない。昭和59年以降の桜花賞で年明け初戦馬は14、4、18、18着というデータは一応あるが、その中にスティンガーほどの実績馬はいなかったのだ。「信じる者は救われる」と言ってはみても、その後に"!?"をつけている小市民としては、神の御託宣のごとき大胆な結論は下せない。スティンガーは◎でもヌケでもない○に逃げておこう。

レースの傾向には長く変わらないものと、徐々に変化するものがある。昭和59年以降、新馬を勝てなかった馬は【003 57】と連対皆無だが、ダートの新馬を勝った馬はもう13年連続で連に絡んでいる。その一方、チューリップ賞組で狙えるのはちょっと前まで絶対連対馬だけだったのに、今はどうも連対馬はダメで3〜4着あたりの馬が良さそうな新傾向が出てきているのだ。

◎はどちらの傾向にもピタリ一致のプリモディーネ
[レース結果]
1着(14)プリモディーネ 2着(17)フサイチエアデール 3着(16)トゥザヴィクトリー
単勝(14)890円  枠連(7)−(8)1180円  馬連(14)−(17)1940円
《その後の一言》
TV放送でお見かけする神様は、その場の流れなどお構いなしに自分の主張をガンとして押し通しておられた。あの神様のお言葉が好きだったんだけどなあ…。神のお言葉通り、スティンガーは惨敗した。けれど、その神様も今は仏様となってしまわれた。合掌。


■小倉記念は○○オープンがお好き?
第35回小倉記念 平成11年8月15日 2回小倉2日目
4歳以上GIII 芝2000m マル特指 マル混合 別定
前走北九州記念組が優勢の小倉記念と言ってみても、メンバーの多くが北九州記念組ではこれはあまりにも当然。けれど前走ではなく、2走前、3走前あたりを調べると時に怪しげな傾向?が浮かび上がることがある。

はじまりはテレビ愛知賞がテレビ愛知オープンに変わった平成5年のこと。それ以降の6年間で同レース出走馬は小倉記念に5回出走、うち4回まで連対(残る1回は惜しくもクビ差3着)、そしてテレビ愛知オープン組が出走しなかった1回もその身代わりに?吾妻小富士オープン出走馬が優勝している。小倉記念はどういうわけか、「○○オープン」が好き?らしいのだ。

そして昨年以降、御丁寧にも「○○オープン」を3勝もしたのがアンブラスモア。ここは同馬が満を持しての重賞初制覇とみた!
[レース結果]
1着(5)アンブラスモア 2着(4)ニシノダイオー 3着(2)エイシンビンセンス
単勝(5)610円  枠連(4)−(5)3200円  馬連(4)−(5)7120円
《その後の一言》
アンブラスモアはホントに「○○オープン」が好き。今年(平成12年)もまた吾妻小富士オープンを勝ってしまった。そして、小倉記念の「○○オープン」好きも相変わらずだ。


■マイルCSのステップレースはスワンSじゃないのが"定説"!?
第16回マイルCS 平成11年11月21日 5回京都6日目
4歳以上GI 芝1600m マル指定 マル国際 定量
既に死体はミイラ化していたのに「間違いなく生きていた!」と断固主張。今話題の?○○○スペースはホントに面白い。爆笑ものである。「放置というのは暖かく見守ることです!」等々、世間の常識に相反することを次々聞かせてくれるのだが、その根拠は常に「定説だから」。そしてよ〜く聞くと、その定説というのは「一般に正しいと認められている説」ではなく、どうやら教祖様?の言ったことを指しているだけなのだ。

こう書くと「このコラムだって一般に認められてない説ばっかり唱えてるじゃないか〜!」と激しく突っ込まれそうだが、競馬はそれでもいいのである。

「武豊が乗れば何でも人気」、「単騎ミエミエの馬は実力以上に売れる」等々、"競馬の定説"は配当を下げる効果を持つ。だから、定説ではなく怪しげ説を信奉した方が儲かる可能性は高まるはずなのだ。ただし、定説に比べ、好走率がガクンと下がらないことが条件になるが…。

さて、春秋の古馬マイルGIとそのステップは次のような構図になっているのが"定説"だ。

 春 京王杯SC → 安田記念
 秋 スワンS  → マイルCS

グレード制導入の昭和59年以降(以下同)、京王杯SC連対馬は同年安田記念で【731 19】、スワンS連対は同年マイルCSで【554 15】。連対率は共に3割強で悪くはないが、それほどスゴくはない。そこで、矢印をちょっとナナメに引っ張ってみる。

 春 京王杯SC
 秋         マイルCS

すると意外な事実が判明する。京王杯SC連対馬は同年マイルCSで【5203】、なんと70%の高連対率なのだ。京王杯SCは安田記念ではなく、実はマイルCSのステップレースだったのである!? この怪しげ説に安田記念連対馬は同年マイルCSで【5303】の良績という定説を加味すると、京王杯SC、安田記念を共に連対した馬は同年マイルCSで【3200】という最強のデータができあがる。◎は文句なしでエアジハードに決定だ。

注:ナナメの矢印作れなかったので、ここでは消えてます(^^;)
[レース結果]
1着(6)エアジハード 2着(9)キングヘイロー 3着(15)ブラックホーク
単勝(6)220円  枠連(3)−(5)520円  馬連(6)−(9)1110円
《その後の一言》
この頃、"定説"はずいぶん話題だったんだなあ。でも、その後、どうなったんだろう? 遙か彼方にある京王杯SCがマイルCSのステップになっているという"定説"はまだ使えると思うのだが…。


■鮭とサラブレッドはやっぱり違ってた!?
第34回北九州記念 平成11年7月25日 1回小倉4日目
4歳以上GIII 芝1800m マル特指 マル混合 ハンデ
川で生まれ海に下り、あちこち放浪した鮭は3〜4年たつと再度生まれた川に戻ってくる。なぜ生まれた川がわかるのか? これには太陽の位置説とか、地磁気説とか、川の臭い説とか色々あるが、定説はまだないそうだ。

サラブレッドの世界でもこれに似たこと?が起こることがある。小倉デビュー馬は小倉に再び戻って激走するのである。

コース適性があるとか、厩舎が小倉勝負型とか、この理由にも諸説あるが、とにもかくにも「3歳夏の小倉で新馬勝ち→小倉3歳S敗退」という馬が過去10年の北九州記念で【2202】の良績を誇るのは紛れもない事実。

例年軽量伏兵の大駆けがある北九州記念だが、今年は小倉3歳S8着の雪辱を期すトウカイパンチで大漁だぁ!?
[レース結果]
1着(8)エイシンビンセンス 2着(2)アンブラスモア 3着(4)ツルマルツヨシ
*4着(9)トウカイパンチ
単勝(8)3140円  枠連(2)−(5)2230円  馬連(2)−(8)6400円
《その後の一言》
2年前のレースと関係があればホントに「ステップレースは遙か彼方に」なんだけどなあ。ちょっと無理だったか…。「大漁」って言葉がムナシイ結果となりました(苦笑)。でも、懲りずに今年(平成12年)も同タイプのピサノガルボを狙ってみたんだけど、あえなく惨敗。このパターンはもうダメそう。


■ステップレースの条件変更を見逃すな!
第4回マーメイドS 平成11年6月27日 3回阪神4日目
4歳以上GIII 芝2000m カク指定 マル混合 牝馬 別定
レースの施行条件をコロコロ変えられると困るんだよなぁ。

平成8年、マーメイドSの創設と同時に珍しい牝馬限定の準オープンとなったパールS。このレースの最先着馬が平成8、9年とマーメイドSで3着。8、10番人気という人気薄だったので、マーメイドSで穴をあければパールS組と秘かに狙っていたところ、昨年はパールS3着馬が殿り13着に惨敗してしまった。

ところが、調べ直してみるとパールSはこの年、どういうわけか牝馬限定ではなくなっていたのである、と思うまもなく、今年は再び牝馬限定に逆戻り、牝馬限定マーメイドSのステップにふさわしい?条件に戻ったのだ。そして、今年はついにパールS優勝馬がマーメイドSに初登場する。◎はキクノスカーレットだ。
[レース結果]
1着(2)エリモエクセル 2着(14)キクノスカーレット 3着(11)エガオヲミセテ
単勝(2)300円  枠連(2)−(8)640円  馬連(2)−(14)720円
《その後の一言》
条件戦でも重賞へのステップとなるようなレースの条件変更はよくチェックしておいた方がよいかも。ただ、実のところ、マーメイドSで一番重要なのは、それこそ「遙か彼方に」あるオークスでしょうね。この時はオークス優勝馬エリモエクセルが優勝、今年(平成12年)はオークス2着馬トゥザヴィクトリーが2着。



■条件大変更レースの初年度勝ち馬には要注意!
第47回神戸新聞杯 平成11年9月19日 4回阪神4日目
4歳GII 芝2000m マル指定 定量
新設レース、条件大変更レースの最初の年の勝ち馬には気をつけた方がよいと思う。特に4歳限定のオープン特別定量戦での該当馬は、どういうわけか、その後よく活躍する傾向がある。

平成3年、別定→定量と変わったオープン特別・若葉Sを勝ったトウカイテイオーは次走皐月賞を勝ったし、8年新設のオープン特別定量戦・プリンシパルSを勝ったダンスインザダークは次走ダービーを2着、そして9年、新設のオープン特別定量戦・ベンジャミンSを勝ったトキオエクセレントは次走青葉賞を勝っている。

今年気になるのは900万からオープン特別定量戦へ昇格した駒草賞。そこを勝ったフロンタルアタックは古馬混合戦では負けたが、今度は4歳限定の神戸新聞杯に出走する。狙うならここだ!
[レース結果]
1着(3)オースミブライト 2着(10)フロンタルアタック 3着(4)ラスカルスズカ
単勝(3)240円  枠連(3)−(7)470円  馬連(3)−(10)500円
《その後の一言》
「新設レース、条件大変更レースの初年度勝ち馬」が活躍するケース、これは結構あると思う。もうちょっと広げると「新設レース、条件大変更レースの初年度連対馬」、さらに言えば「初年度連対馬」がダメだった場合でも「2年目連対馬」が走るってこともある。その傾向がそのままケイゾクするのか、それっきり途切れてしまうのかは色々なパターンがある。若葉Sと皐月賞がトウカイテイオーの後もしばらく強く結びついていたのは有名な話。



■たった1週の日程変更が大きな影響を及ぼすこともある
第48回ラジオたんぱ賞 平成11年7月4日 1回福島6日目
4歳GIII 芝1800m マル特指 マル混合 別定
福島開催、4歳900万最初のレースは一昔前は2週目に行われていたため、3週目のラジオたんぱ賞のステップとしては事実上使えなかった。それが昨年、1週目にさくらんぼSが移行、たんぱ賞へ中1週のローテとなったのである。すると同レースレコード勝ちのシービーエンドレスがたんぱ賞で4着。健闘はしたが、使い詰めの馬に中1週での重賞挑戦は微妙に厳しかったようだ。

そこで今年のシルクガーディアンは皐月7着後、よくありがちな"とりあえずダービー路線"をとらず一息入れ、さくらんぼSへ。結果2着は実に絶妙な着順と思える。惨敗では実力と体調に?がつくし、勝ってしまえばたんぱ賞の斤量が1キロ重くなるからだ。ここは用意周到、狙いすました一戦とみた!
[レース結果]
1着(2)シルクガーディアン 2着(4)アドマイヤカイザー 3着(15)クロックワーク
単勝(2)510円  枠連(1)−(2)1190円  馬連(2)−(4)1220円
《その後の一言》
配当はともかく、「予想の筋道」がなかなか良かったなあと自己満足しているレース。それにしてもさくらんぼSはなぜずっと2週目に行われてたんだろう。不思議だ。シルクガーディアンとはちょっとタイプが違うが、今年(平成12年)もさくらんぼS勝ちのルネッサンスがラジオたんぱ賞を勝った。
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