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番組表ネタに限らず、ふと気になったあのこと、このこと、色々と書いていきますが、新聞・雑誌等で書いたこととはあまり重複しないようにしていますので、ご了承ください。 |
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平成15年8月分 |
■関屋記念は重賞未勝利馬が勝つ? (H15.8.2) ■新馬戦改革を考察する (H15.8.9) ■北九州記念と小倉記念と橋口厩舎の怪しい関係 (H15.8.16) ■タニノギムレット引退式は札幌記念と関係あるか? (H15.8.23) ■前走新潟以外の馬ばかりが勝つ新潟記念 (H15.8.30) |
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関屋記念の別定規定は何度か変更されているが、グレード制以降の変遷を表にまとめると次のようになる(いずれも牝馬2キロ減、年齢は新馬齢表記で統一)。
一昔前の景気がいい時、中央競馬の賞金は毎年のように上がっていた。平成3年の別定規定改定はそうした賞金アップに対応したものと思える。 けれど、平成7年の改訂はそうしたものとは違う。そもそも、平成7年と言えば、中央競馬の年々賞金アップ時代がすでに終わっている時である。平成7年の改訂で関屋記念は以前と比べ、そう簡単には増量されない別定規定を持つことになった。平成6年以前の関屋記念と平成7年以降の関屋記念は本質的には別のものと言えるほどである。 今年の出走馬で言えば、前走G1安田記念2着のアドマイヤマックスが56キロ、前走1000万特別14着ボロ負けのクロンヌドールも56キロ。これだけ実績の違う馬が同斤で走るのだから、G3としてはかなり実績馬優位の規定と言える。 最近行われた夏競馬の重賞ではマーメイドSや北九州記念が、基本斤量は少し異なるものの、この関屋記念と基本的には同じ別定規定を持っている。そして、マーメイドSではG1連対馬がよく活躍し、北九州記念では重賞ウイナーがよく活躍する傾向がある。やはり、実績馬が有利なのだ。 てなわけで、理論的には実績馬有利なのが今の関屋記念なのだが、実際にはそうならなかったりするから、競馬は面白く、ムズカシイ。さてさて、ここでは現行の別定規定となった平成7年以降の関屋記念優勝馬について、その重賞実績を簡単にチェックしてみよう。
計8頭の優勝馬のうち、5頭までが重賞未勝利馬。実績のない馬が結構頑張っているのである。そして、3頭だけ重賞ウイナーが優勝しているが、その3頭には共通点がある。上表をよく見てもらえば明らかなことだが…
エイシンガイモン、ダイワテキサス、マグナーテン……重賞ウイナーでありつつ関屋記念を優勝した3頭は、それ以前に関屋記念を勝ったことのある馬ばかりだったのだ。つまり、平成7年以降の関屋記念優勝馬は重賞未勝利馬または関屋記念優勝歴のある馬、このどちらかに必ずなっているということである。 今年の関屋記念出走馬に関屋記念優勝歴のある馬はいない。となると、今年は重賞未勝利馬が勝つ関屋記念なのだろうか? |
《その後の一言》 |
1番人気は単勝1.6倍の断然人気に支持されたアドマイヤマックス。しかし、マックス君は3着に終わってしまいました。すっかり、勝ち切れないキャラになってしまったのか? あるいは上で書いたデータに引っ掛かり、重賞ウイナーであるがゆえに勝てなかったのか? 勝ったのはオースミコスモで、こちらもこのところ、勝ち切れないキャラになりかかってましたが、重賞未勝利であることが良かったのか、今回は勝つことができました。とはいえ、重賞未勝利馬の多いメンバー構成ではありましたが…。(H15.8.7) |
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今夏から実施された大きな改革に新馬戦へ1回しか出走できなくなったことがある。JRAから発表された「平成15年度夏季競馬番組の概要について」(PDFファイル)によると、新馬戦を初出走馬のみによる競走にすることで、 1)各馬が調教状況に合わせ幅広く出走時期を選択できる 2)新馬競走は、初出走馬だけのデビュー戦という分かり易い競走形態となる 3)初出走馬のみによる競走ということで、新馬競走の意義も明確となる といった効果があるという。新馬勝ち馬、未勝利勝ち馬は昨年までと少し意味が異なるわけで、これが今後の2〜3歳戦にどんな影響を及ぼすのか、ケイゾクして観察する必要があるだろう。 さて、そんな中で迎えたのが2歳戦の初重賞・函館2歳S。とはいえ、先行する重賞のサンプルがないだけに上記改革の効果がどう現れてくるのか予想するのは難しい。 これまで以上に新馬戦の価値が上がったわけだから、やはり新馬勝ち馬優勢ということになるのだろうか? 従来、開催後半のいわゆる「折り返し」の新馬戦はデビュー2〜3戦目の馬で大体は争われていた。同一開催内なら、新馬戦には繰り返し出られるわけだし、レースを一度使えば使われた分の強味がある。だから、開催後半になってから経験馬相手にわざわざデビューしようという馬は少なかったのである。その意味で、開催後半の新馬戦をデビュー勝ちしている馬は昨年までは珍しかったタイプと言える。今回の函館2歳Sで言えば、ミュージックホークがこれに該当する。改革の効果で、こういった従来は珍しかったタイプが好走することになるのだろうか? しかし、函館2歳S自体の最近の傾向を見ると、ちょっと困ってしまうことがある。新馬勝ちしたばかりの馬というと、今年からは1戦1勝馬しかあり得なくなったわけだが、近年の函館2歳Sではこの1戦1勝馬が不振なのである。新馬1戦1勝馬は平成10年のリザーブユアハートを最後にここ4年は連対ゼロ。過去4年の新馬1戦1勝馬は【0.0.0.14】。かなり人気の馬も含まれているのだが、さっぱり成績が上がらないのだ。 では、キャリア1戦馬の代わりに何が走っているかというと、これは当然ながらキャリア2戦以上の馬になる(その多くはキャリア2戦馬)。キャリア2戦以上馬というと、ラベンダー賞を使われた馬も含まれるが、それだけではなく、「新馬初戦2着以下→新馬2戦目1着」というタイプもよく活躍している。このタイプ、新馬2戦1勝馬はここ5年連続で連対しているのだ。 しかし、今年は困ったことに新馬戦改革によって、新馬2戦1勝馬はあり得なくなった。今年、これに近いのは「新馬戦2着以下→未勝利戦1着」というタイプになるわけだが、函館2歳Sではプリモスター、エンジェルクルー、セトノヒットといった馬がこれに該当する。新馬戦の価値が上がったとか、そんなことは関係なく、従来の傾向がケイゾクするってことなら、こっちのタイプが連対してくることも考えられるわけである。 ここでは詳しく触れないが、もちろん、この他にオープンのラベンダー賞組も大変重要な勢力で有力な存在。結局のところ、従来の傾向と、新馬戦改革から予想される効果…それをすり合わせていくことがなかなか難しいと思えるのが函館2歳S。どちらにせよ、この結果が今後の2歳重賞へ影響を与えることは十分考えられるので、よく見ておきたいレースと言える。 |
《その後の一言》 |
実のところ、自分が一番重視したのはラベンダー賞連対馬。フラワーサークルからフィーユドゥレーヴ、ミュージックホークへのワイドを的中することができました。 勝ったフィーユドゥレーヴは新馬1戦1勝馬。函館2歳Sではここ4年来ていないタイプで、その点がちょっと疑問ではあったんですが、勝ってしまいました。また、3着のミュージックホークも新馬1戦1勝馬。中央馬で馬券になった2頭はいずれも新馬勝ちの馬で、未勝利勝ちよりも価値が高いというところを見せたような形になりましたね。 それと、この夏行われた2歳オープンクラスのレースを合わせて考えると、どうも新馬勝ちの馬でも、開幕週新馬勝ちの馬が強いような感じですね。(H15.8.13) |
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夏の小倉の古馬平地重賞は北九州記念と小倉記念の二つだけ。ハンデ、別定と条件は違うが、距離は1ハロンしか違わない。当然のように、この二つのレースは色々な意味で関係がある。 まず、単純に小倉記念では北九州記念上位馬が強い。北九州記念と小倉記念の別定とハンデが途中で入れ代わっているとか何とか細かいことは抜きにして、平成元年以降、同年北九州記念3着以内馬は小倉記念で【3.5.4.12】、連対率33%となる(北九州記念、小倉記念が小倉以外で行われたケースを除く)。 昨年の小倉記念は同年北九州記念1〜3着馬が揃って出走していた。上記の通り、小倉記念での同年北九州記念3着以内馬は連対率3割程度。ならば、3頭出走すれば1頭ぐらいは連対するだろーなんて思っていたら、これが1頭も連対しなかったのである。そして、こうしたデータをあざ笑うかのように「北九州記念3着以内的な要素」を持った馬が連対したのでアゼンとしてしまったのだった。
昨年、北九州記念をロサードで2着した橋口厩舎。この時、鞍上は芹沢騎手だった。ロサードは続く小倉記念にも出走してきたが、鞍上は小牧太騎手にチェンジ。そして、芹沢騎手はさりげなく、同厩のイブキガバメントに乗り、そちらの方が2着したのだった。つまり、昨年の小倉記念は同年北九州記念3着以内馬は連対しなかったが、同年北九州記念3着以内騎手+厩舎は連対したのである。 そして、今年も橋口厩舎はちょっと違うが似たようなことをやってきた。
九州出身の橋口師。例年、小倉開催では意欲的に勝負をかけてくるが、今年の北九州記念では武幸騎手でキタサンチャンネルを出走させていた。そして、小倉記念にキタサンチャンネルは出してこなかったが、また、昨年と似た感じで、今度はロサードに武幸騎手を乗せてきたのである。 となると、昨年は馬は違っても同じ騎手+厩舎のコンビが両レースとも2着になったので、これと同じことが起こるなら、今回のロサードは6着になってしまうのだろうか?(他の観点から考えるとロサード連対の可能性もあるとは思うのだが…) けれど、実はそれより気になるのは橋口厩舎の馬自身というより、その隣の馬である。というのは北九州記念ではキタサンチャンネルの隣の馬が3着していたからだ。 馬をチェンジしても変わらなかった騎手+厩舎コンビ。これが昨年は両レースを共に連対したが、今年は少しパターンが変わって、隣馬が馬券になるのを教えてくれないかな〜などと思うのだが、どうだろうか? |
《その後の一言》 |
道悪は苦手とか言われた橋口厩舎のロサードが、稍重馬場も関係なく一気の差し切り勝ち。「北九州記念と小倉記念と橋口厩舎の怪しい関係」なんてタイトルだけ見るといかにもこのコラムが当たったようにも見えますが、読んで頂ければわかる通り、自分のほのかな期待は橋口厩舎の隣の馬でした。でも、その馬、メイショウドメニカは走らず、そこから目を引いたワイドは当たりませんでした。 とはいえ、それとは別の枠組みで枠連は狙っており、そちらは一応的中。ロサードについては「他の観点から考えるとロサード連対の可能性もあるとは思うのだが…」とチラッと書きました。その「他の観点」というのもいくつかありますが、一つ書いておくと、前年の北九州記念との関係ですね。どうも、最近の小倉記念は前年北九州記念2着馬あるいは2着厩舎と関係があるように見えるんです。
昨年の小倉記念では前年北九州記念2着のロサードは連対できませんでしたが、その代わり、同厩のイブキガバメントが連対。その他の3例はいずれも前年北九州記念2着馬自身が連対しています。北九州記念と小倉記念は同年だけでなく、前年のレースに関しても怪しく関係があるということですね。「北九州記念と小倉記念と橋口厩舎の怪しい関係」というタイトルはこちらのネタの方がふさわしかったかな? 橋口厩舎は小倉日曜の特別を9R、10R、11Rと3連勝。小難しい理屈を抜きに小倉では常に要注意の厩舎と言った方がいいのかもしれませんが…。(H15.8.19) |
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エアエミネムとサクラプレジデントの馬連が前日最終段階で1.8倍。めまいのするような低オッズとなっている今年の札幌記念だが、それはさておき…。 札幌記念当日に札幌競馬場ではタニノギムレットが引退式をやるという(「タニノギムレット号の引退式の実施について」)。これがどうも気になるのである。タニノギムレットといえば、とっくに引退して種牡馬となった馬。それがなぜ今頃、引退式? なんか怪しい感じがするのである。 引退式の日は引退式ゼッケンの馬が激走するという説がある。絶対にそうなるわけでもないが、実際そのような例も結構ある。そこで、確認のため、今週木曜日、東京・新橋のJRA広報コーナーに電話して訊いてみた。 「タニノギムレットは引退式で何番のゼッケンをつけるんですか?」 「タニノギムレットはもう種牡馬になっているので、引退式ではゼッケンも鞍もつけないことになってます」 ええ〜〜〜、ホントかよ!? ゼッケンもつけないで引退式をやる、そんなマヌケな引退式があるのだろうか? で、ちょっと調べたら、タヤスツヨシも種牡馬になってから引退式をやったらしい。その写真が「こちらのページ」にあったのだが、どうもきちんとした鞍はつけていないようにも見えるが、とりあえず、ゼッケンはきちんとつけている。 そんなこともあり、JRA広報コーナーの言ってることが本当かどうか、現時点ではちょっと疑わしい気もするのだが、タニノギムレットがゼッケンをもしつけるとすれば、それはダービーでつけた3番ゼッケン以外にあり得ないだろう。タニノギムレットのG1勝ちはそれだけだし、彼は引退式の行われる札幌競馬場で重賞を勝ったりもしていないからだ。 そして、結局のところ、ゼッケンをつけようがつけまいが、タニノギムレットが引退式をやることで出目的に当日のレースに影響を及ぼすとすれば、それはダービーの出目しかあり得ないと思われる。そのダービーでタニノギムレットが入っていたのは2枠3番…。 そこで、札幌記念の枠順が確定し、3番とか2枠とかを見てみると…。 …………………。 う〜ん、これは常識的に見てちょっと厳しいんでないの?といった馬が入っていたのである。 てなわけで、タニノギムレットの引退式なんか別に関係ないかな〜、と一旦思ったのだが、今一度、タニノギムレットのダービー、その馬柱を見直してみたら、あることがどうも気になってきた。 昨年のダービーで、タニノギムレット周辺は次のような枠順になっていた。
武豊騎手の右隣に蛯名騎手……今回の札幌記念と同じような並びになっていたのだ。しかも、蛯名騎手が乗ったノーリーズンは池江郎厩舎。今回の札幌記念を見ると、武豊騎手の逆側の隣に池江郎厩舎のユウワンプラテクトが入っている。関係ある部分だけ抜き出してまとめると次のようになる。
さてさて、これは単なる偶然にすぎないのだろうか? あるいは何か意味のあることなのだろうか? |
《その後の一言》 |
タニノギムレット引退式。自分もグリーンチャンネルでチラッと見ましたが、確かにゼッケンはつけなかったようですね。広報コーナーの人を疑ってしまって、失礼しました。ただ、こちらのサンスポの記事(「タニノギムレット引退式、武『早く子供に乗りたい』」)によると、タニノギムレットはゼッケンをつけなかったけれど、武豊騎手がダービーゼッケン「3」を掲げて登場したとのこと。 で、結局、札幌記念はタニノギムレットのダービーと同じように蛯名騎手の左隣に入った武豊騎手が優勝。まあ、武豊騎手のサクラプレジデントは断然人気2頭のうちの1頭でしたから、別にタニノギムレットの引退式があろうがなかろうが、勝っても不思議ない馬ではありましたが…。 そして、自分としてはタニノギムレットのダービーでは武豊騎手が勝つ一方で、蛯名騎手は馬券にならず消えているので、ひょっとしたら今回も…というスケベ心を持ったんですが、残念ながらそうはなりませんでしたね〜。(H15.8.27) |
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最近の新潟記念では前走新潟以外を走った馬がよく活躍している。単純な話ではあるが、これが意外に強力な傾向なのである。特に新潟記念優勝馬の前走を調べてみると、驚いてしまう。以下に過去10年の優勝馬について、その前走をザザッとまとめてみよう。
厳密に言えば、新潟記念の開催や新潟記念の前の開催が変則日程となり、新潟以外で行われたケースも含まれているのでちょっとずるい?ところはあるのだが、上表の通り、前走新潟を走ってから新潟記念を優勝した馬は平成5年のブラウンビートルを最後に9年間も出ていないのだ(念のために書いておくと、平成12年ダイワテキサスの前走関屋記念が新潟ではなく福島となっているのは変則開催だったからで間違いではない)。 こうなったのには色々な理由が推定できる。以前、新潟開催に設けられていた新潟記念への最適ステップレースが消滅してしまったこと、関西馬が強くなり、また交通網が整備されて、前走小倉を走ったような関西馬が参戦してくるようになったこと…。そして、平成9年に函館と札幌の開催入れ替えが行われた結果、従来なら札幌まで行っちゃったら遠すぎるんで、北海道にジックリ腰を落ち着けるしかないな〜(場合によっては放牧へ)といった馬たちが、函館へ行っただけなら、札幌ほどは遠くないんで、また戻ってきて新潟へ転戦する手もあるかな〜と思い始めたとか…。 以上、適当に推定してみたので、ホントかどうかはわからないが、こういったモロモロの理由によって、最近の新潟記念では前走新潟以外の馬ばかりが優勝し続けているようなのである。 てなわけで、今年の新潟記念も前走新潟以外の馬が勝つのだろうか? |
《その後の一言》 |
結局、勝ったのは前走北九州記念2着だったダービーレグノ。上記の傾向はケイゾクされました。前走新潟組では、関屋記念上位のエイシンハリマオー、ゴーステディ、前走新潟の1000万を勝ってきた上がり馬エスジービームあたりが人気になってましたが、みんな惨敗しちゃいましたね。(H15.9.4) |
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